足るを知る

宝塚

一年以上もブログ書きを怠けておりました。

私の「定年再雇用生活」も、残すところあと一年。
立つ鳥跡を濁さず・・と行きたいところですが、今まで相当濁した後なのでどうなりますことやら。

阪急友の会貸切公演

阪急友の会貸切と言えば、座席は当日抽選。

お正月公演ともなると、ほとんど「おみくじ」を引く気分です。

ずらりと立てて並べてある『赤い券封筒』の中から、「エイヤッ!」と、自分で1枚引く訳ですが、私は何の疑いもなく、一番手前の封筒を取りました。

神様が私に『はいよ。』と、差し出して下さった気がしたのです。

チーーン。

ハイ。ありがとうございます。謹んで拝受いたします。

真夜中のひな人形

さてさて、気を取り直して席に向かいますと、気のせいか2階17列の面々の口元が「へ」の字になっていたような。

それにしても「(自分を含む)本日のクジ運がなかった人達」が、横一列にずらりと並んで座っているなんて、めったにない事ではなかろうか。ギネス認定とかしてもらえないかな。

チョンパで始まる日本物はやっぱりいいですね。
人が眠る真夜中に、お雛様が動き踊り出す感じです。
一応ストーリー仕立てになっているようなのですが、あまり物語性を意識する必要は無かったかも。
ここ最近、時間軸がアッチャコッチャ混乱してます系の作品が多かったので、日本物でアッチャコッチャ行かないでほしかった。でも、若い人にはこういう演出の方が楽しめるのかな?

エンディングがあっさり目だったので、『桜のボレロ』みたいな、群舞があったら良かったなぁ。

宙組生一人ひとりの顔が見えた

お芝居の「Razzle Dazzle」は、コンパクトな中にも、今の宙組をそれとな~く意識させる内容になっていて、演出の田渕先生の愛情を感じます。
おこがましい書き方ですが、初めて宝塚をご覧になる方々にも内容が分かりやすかったのではないでしょうか。

他組と比較するのも何ですが、トップお披露目公演の、昨年後半の花組・月組公演のお芝居は、突然の回想シーン、思い出したように踊り出す群舞、舞台上の出演者は盛り上がっている(事になっている)シーンでは、客席側は置いてけぼりで、目をパチクリするばかり・・・。

今回の宙組公演は、『映画会社の再建』という物語と『宙組の再スタート』というテーマを重ねたような内容になっていて、素直に「この人達を応援したい!」という気持ちにさせてくれる作品でした。
何より、『タカラジェンヌとして舞台に立ち続けるには、宙組生として胸を張って、全員が同じ方向を向かなくては!』という、宙組の生徒さん一人ひとりの心意気を感じました。

トップスターとしての責任を果たした「芹香斗亜」

阪急電鉄、歌劇団スタッフ、演出家、生徒・・・劇団に関係する多くの方々が、色々と考えて考えて、今年のお正月宙組公演の演目・配役・・そしてトップスターの任期が決まっていったのだと思います。

ある意味、この形しか無かったのかなとも思います。

私は、一昨年の事件の当事者でもないですし、事実を何も知りません。
でも、今、宙組に在籍している彼女達は、再度、宝塚の舞台に立つという選択をした事は紛れもない事実です。
それを実行する事は、当事者にとっては、私達の想像を絶する厳しい日々の連続であったと思います。今もそうかもしれません。

今回の宙組公演は、私自身の観劇は昨日が最後でした。

芹香斗亜さんは、宙組のトップスターとしての責任をきちんと果たされたと思います。
この後は、宙組の皆さんと歌劇団がどのように歩んで行かれるのか、一人の宝塚ファンとして見守るとともに、心からのエールを送りたいと思います。

足るを知る

この宙組公演2回観劇したのですが、実は1回目は「宝塚友の会」でSS席が当たり、お正月早々から、良いお席で観劇することが出来ました。

オペラグラス無しで出演者の美しいお顔や衣装が良く見えるし、目が合ったような気がする嬉しい瞬間も味わえるしで、もちろん大満足だったのですが、今回の2階最後列もそのSS席に負けず劣らず、十分に満足できたのです。決して負け惜しみではないですよ。

2階席だと、舞台全体と銀橋も隅々まで一望できるし、客席込みで視界に入るので、観ている人がどれだけ舞台にのめり込んでいるか分かりますし、幕間には色々な人が行き交う様子、年配のご夫婦、小さいお子さんとお父さん、杖をついて登ってこられるお母さんと背中に手を添える娘さんらしき二人連れ。

特に阪急百貨店の友の会ということで、ご年配のお母さん&40~50代の娘さんという組み合わせを、沢山お見受けしたように思います。

私も自分の事ばかりでなく、母の生前にもっと連れてきてあげたら良かったなぁ・・・なんて考えたりしました。一週間前の慣れないSS席では舞い上がってしまって、周りが全然見えていませんでしたが、ぎっしりと埋まった座席を後ろ側から見ていると、こんなに沢山の人達にそれぞれの人生(喜びも悲しみも)が、あるのだなぁ。と、つくづく不思議な感じがしました。自分自身は、これからどんな生き方をしたらいいのかなぁ・・・なんて考えたり。


こじつけっぽく聞こえるかもしれませんけれど、今年でひとつの節目(仕事の引退)を迎える自分にふさわしい座席を、神様が下さったような気がしてきたのです。

わが身を振り返って、私は幸せな人生を過ごして来たのかもしれない。
同僚や上司・友人・家族に恵まれて、この歳になるまで大過なく生きて来られた。
そもそも阪急友の会の貸切に当選したから、大劇場のこの場所に居る訳で、決してクジ運が悪かった訳でも何でもない。新年から2週続けて宝塚を観劇できるなんて・・・十分贅沢な事でした。

終演後のトップスターの挨拶で、客席に向かって一生懸命に手を振る芹香斗亜さんを見て、東京千秋楽の最後の一日まで、宙組トップスターとして、彼女が今できる事を心残りなくやり遂げられますようにと願いました。

タイトルとURLをコピーしました