応天の門・Deep Sea 感想

宝塚
UnsplashGanapathy Kumarが撮影した写真

 昨日は月組大劇場公演を観て参りました。11時公演です。

11時公演の日は、朝食を食べてから洗濯なんぞしていると、あっという間に家を出る時間が来てしまい慌ただしいです。Deepなファン時代は「入り待ち」の為に、今より2時間位早く出ないといけなかったのですけれど、全然苦にならなかった。

『大好き』というエネルギーは凄いですね。このエネルギーをもう少し仕事に向けていればもっと出世してたかな・・・せえへん。せえへん。

今となっては、あの頃の自分がとても愛おしいです。

月城さんって、こういうお芝居に向いてる人でしたっけ?

 さて「応天の門」ですが、『桜嵐記』と『ブラックジャック』を足して2で割ったような感じのお芝居でした。

これって、月城さんにピッタリなのでしょうか?トップになったら、ファンにとっては(もちろんご本人にとっても)1作1作が貴重な作品だと思うのですけれど、ファンの方々も月城さんも納得されていますでしょうか・・・。

各々の登場人物のキャラクターが強調され過ぎて、月城さんが主役であるはずなのに『このお芝居、誰が主役?』という感じなのです。海ちゃん?ちなつさん?風間君?

最後に月城さんが銀橋でソロで歌うので『あ~、やっぱり菅原道真が主役!ですよねー。良かった良かった。ホッとした(^^)』という感じなのです。

「デレ」があって初めて「ツンデレ」ちゃうの?

 エンディングだけじゃなくて本編中にもっと月城さんの「見せ場」が欲しいです。ダイナミックなチャンバラでもいいし、海ちゃんとのラブシーンで歴史に残るような「愛のセリフ」を語るのもいい。そうじゃないとメインディッシュのないバイキング料理みたいに、お腹はいっぱいだけど満足感が無い状態で幕が下りてしまいます。

道真と昭姫(海ちゃん)とは「ツンデレ」という設定らしいですが、ツンばかりでデレなんてありました?子供ミュージカルじゃあるまいしもう少し「色気」が欲しいです。

「若き日の菅原道真の事」という副題なのですから『堅いお芝居』で通すのなら、もっと菅原道真のポリシーやら学問に対する姿勢やらを強調するストーリーでも良かったのでは?プログラムによると、原作者の灰原 薬さんも「どのようにでもどうぞよろしくお願いいたします。」とおっしゃっているのですから、もっと宝塚の都合の良いようにしても良かったのでは?

 頭の中が「?」マークだらけで幕間となりました。

チョンパでサンバ Deep Sea

 ショーの幕開きはチョンパです!

やっぱりチョンパいいですね~。衣装も嬉しい昭和テイスト。ひざ下フリフリレースのマンボズボンの良い所は、脚が長い人も、そうでない人も、みんな似合う。『それなりに』味わいがあるのです。とりあえず劇団には、衣装に使ったレースの総尺を教えていただきたいですね(笑)

あんなレースを使ったポットカバーやバスケットを手に「ムラ」を闊歩して、下級生のファンから挨拶される・・・なんてのがムラ生活でのささやかな『ステイタス』でした。最近はコロナで『入り出』の様子を見ないのでどうなっているのか知らないですけれど、今でもレースのポットカバーとかお弁当バスケットはあるのでしょうか?ファンや「オバサマ方」の『手作りのお弁当』を生徒が食べるなんて、昨今じゃ考えられないでしょうね。私は料理が下手でしたので、当番の日はもっぱら宝塚近辺のお店に『外注』していました。色々思い出すと懐かしいなぁ。。。

 脱線はこれくらいにしてDeep Sea いきましょう。

 Deep Sea、良かったですよ。せわしないけど(^^;)「このショーの演出はどなたでしょうか?」というクイズがあったら『稲葉先生~!』という大合唱が聞こえそうな位、全編セットが稲葉調です。途中で水槽みたいな映像が舞台一杯に広がってとても綺麗でした。

それにしても先般の『ジャガビー』と言い、セワシナイ系は最近の流行りでしょうか。youtubeなどの動画を見るときなども、画像速度を速めて見る人が多いそうですね。J-POPなどもイントロ無しでいきなり「サビ」始まりが主流とか。イントロの無い歌謡曲なんて・・クリープを入れない・・・(ハイ。やめときます)

せめてタカラヅカはゆっくり観たいです。今回は衣装に免じて許しますけど(何で上からやねん)。

 中詰の前の白い衣装のところが綺麗でしたね。月城さんはこうでなくっちゃ。そして海ちゃんの「真珠の女王」の衣装も良かった。パンツスタイルだったのが意外な感じ。今回なぜか海ちゃんはパンツスタイルが多いのです。水泳帽みたいな(もちろんもっと豪華ですよ)帽子?がオシャレ。真珠だから丸い帽子なのね。

その後、中詰があって、若手選抜ダンスメンバーの「眠れぬ夜」に続きます。若いダンサー達が弾ける!回る!。曲調は昭和ラテンです(ヨシヨシ)。雪組さんとかではよくありますが、月組さんでこういう場面めずらしいなと思いました。みんな大好き『全員リフト』もありますよ。

礼華はる君、彩海せら君は、さすがセンターで踊るだけの事はあります。とにかく観ていて気持ちがイイです。二人は微妙な位置関係だと思いますが、お互いが切磋琢磨し合って益々輝いてほしいですね。

おだちん(風間柚乃)が素敵!

 この後、おだちん(風間柚乃)の歌で月城さんとドレス姿のちなつさんが『妖しく』踊ります。ここの歌唱が本当に良かった。おだちんの歌をしっかり聞ける、こういうシーンが観たかったのです。

おだちんがまだ下級生の頃、スカステの番組「うたごころ。」に、美園さくらちゃんと一緒に出ていた事があって、その番組でジュリーの「勝手にしゃがれ」を歌っているおだちんを見て、その完成度の高さに『すごい生徒が居るなぁ』と思ったことを覚えています。

今、調べてみたら2017年の放送のようなので研4でしょうかね。調べた先のサイトにも『すごい子』と書いてあったので、皆さん同じように思われたのでしょうね。

下級生の時から完成度が高すぎて、その後なんとなく伸び悩んだ感じのある「おだちん」ですが、今回のDeep Seaで一皮むけた?(「グレート・ギャツビー」のチケットがコロナで全部流れてしまって、ズレたことを書いていたら非常に申し訳ないのですが)今回の「イケイケ」具合はインパクトありました。歌もそうですけど、お化粧・髪型などもグンと良くなったような気がするのです。「風間柚乃は黒髪」というイメージでしたが、金髪も似合ってますしね。

おだちんこと「風間柚乃」さんは、誤解を恐れず書くと『古き良き時代の昭和のスター』の良い所、『せわしくなかった頃の宝塚の魅力』をいっぱい持っているような気がします。客席アピールの仕方も理想的な『クサさ加減』で、ちょっとこちらが恥ずかしくなるような・・・ココロの琴線に触れる、いい感じなのです。どうかこのまま「クサい男役道」をバク進してほしいです。

おだちん。絶対、照れたらあかんのやで。

懐かしさの中の「未来」

フィナーレは「ベサメムーチョ」「シボネー」「黒い瞳のナタリー」の、懐かしの昭和ラテン3連発で大満足!

月城さん&海ちゃんのデュエットダンス(タンゴ)で、銀橋の上で海ちゃんを突き飛ばすような振りがあってビックリしましたが、この何とも言えない「愛情表現」がセクシーで私的には良かったと思います。突き飛ばされた後の海ちゃんの鋭い目線で『突き飛ばされた以上の』応戦が繰り広げられるところが、大人っぽくていいなぁと思いました。

2月11日のエトワールは「白河りり」さん。この方の声は大人っぽくて好きな声です。堂々と歌い上げていらっしゃいました。今後の大きなチャンスに繋がるかもしれないので、皆さんきっと必死ですよね。頑張ってほしいです。あと何回か観劇のチャンスがあるので、他の方のエトワールも楽しみです。この「週替わりエトワール」今後も続くのではないかしら。

「昭和は良かった」などと勝手なことを書き並べましたが、今回の作品では舞台が水槽のように見える映像効果や、斬新な衣装・振付など『昭和の時代にはありえなかったモノ』が色々登場しました。

セワシナイことも「時代のすう勢」ですね。宝塚がタカラヅカで在り続ける為に変化する数々の事を、私たち観る側も柔軟に受け入れなければいけないのかも知れませんね。

それでもやっぱり「クサい男役」は、世界無形文化財として残して欲しいなぁ。

たのむで。おだちん!

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